家での二週間はあっという間だった。けっきょく桜が咲いたのは、帰還後、一週間してからだった。最初に名古屋で開花し、次いで東京、福岡と続いた。鹿児島が開花したのはさらにその数日後。南から時速4km/hで列島を北上する桜前線、というのは、まったくの夢物語だったわけだ。
小田原でも開花後、花冷えがつづいたため、一週間たっても花は散っていない。花が散ってから北に向けて出立したかったが、そうもいかなくなった。仕事の出張で青森市に行く日程が決まってしまった。青森の桜はGWぐらいだから、かなり早い出発を余儀なくされた。さてどうなることか。
1日目(晴れ)出発→郡山
01:10 妻とともに小田原を出発。新しく開通した圏央道でいっきに加須まで120km進む。ここからは下道を北上。
05:00 夜明けとともに大田原着。桜がどんぴしゃ。白河を経て浜通りへ。
13:30 福島第一原発の帰宅困難エリアへ。震災から五年たち現場を見ておきたいと思った。いまだにバイク、自転車は通行禁止の看板。あちこちに警察や警備員が立って生活道路への進入を規制している。許可をとって中に入った。今なお放射線が強い地域。堰体天端の道路に震災の爪痕が5年たっても、なまなましい。煙草も吸わず早々に立ち去った。
18:30 郡山の健康ランドに入る。
燃料 3,380円(累計3,380円、37.5リットル)計測燃費14.7km
経費 3,050円 すべて高速代。他は妻に出してもらった。
走行 600km
水辺 22ポンド
メモ 思い出のある郡山の健康ランドで結婚記念日を祝った。
2日目(晴れ)郡山→盛岡
05:00 起床、出発。
05:50 飯坂温泉近くにある天王寺の池へへらぶな釣りをしに行くが、いまひとつ気が乗らず、ぼおっとして時間をつぶした。
07:20 妻と福島市の北にある飯坂温泉駅で妻と別れ、池沼を広いながら北上。
14:00 宮城平野部の代表的な水辺である伊豆沼近辺を遍路。
16:20 離島の4つを除き、最後のため池100選である岩手県南部の「有切のため池」を取材。ドローンも。
18:10 奥州市のコンビニでデスクワーク2h。その後、盛岡まで下道で移動。
経費 1,620円(累計5,000円)高速代790円含む
走行 470km(累計1,070km)計測燃費14.5km
水辺 16ポンド(累計38ポンド)
メモ 96湖目のため池100選で、離島の4湖を除き北海道から九州まで完了。
3日目(雪)盛岡→大館→青森
06:00 目が覚めると雪景色。夜のあいだに降ったようだ。ルーフやミラーの上に雪がのっている。サマータイヤということもあり道路状況が心配なので通勤で交通量が増えるのを待って出発。八幡平の池は標高がく無理。しかも八幡平アスピーテラインの開通は五日後だった。
08:20 安比の峠越えでは雪も強かったが路面には積もらず大丈夫だった。コンビニに入りデスクワークして雪が弱まるのを待つ。10時出発。 12:00 北秋田では雪やあられが降ったり晴れたりのくり返し。しかしまったく積もる気配はなく、さんさんと降るそばから路面に吸い込まれるように雪が消えていく。しかし、これで油断したことが、あとで大きな判断ミスの原因に。
15:30 けっきょく一日、雪やあられが強く降ったり、止んだりの状況は変わらず。しかし大館の岩神貯水地で束の間の晴れ間が出て樹氷をのせた山と池の奇跡の瞬間に会えた。
16:40 滝ノ沢沈殿池に行こうと、さんさんと雪が降る中、900mの砂利道を登坂。あと少しというところで道がぬかるみはじめたので引き返すことを決意。見つけた転回スペースから堰体らしきものが見えたが、とにかくあきらめてハイエースを舗装路まで戻すことを優先。後日、確認すると池が見える場所まで、あと120m。
転回できるスペースでUターンしようとしたところ軽くスタック。こういうケースはよくあるので後輪のうち片輪は砂利道に残し下り方向で抜け出せるようにしていたので脱出は問題なかったが、ここから延々とバック。速度を抑えるつもりで半クラッチにしていたつもりが勾配でかえって速度が出てしまった。強まる雪がミラーに積もりかかって後ろがよく見えず、焦りも加わってカーブで後輪の片側が砂利の外に落としてしまった。うわー。水辺遍路史上最大の大失態。ここから地獄のスタック。花岡の町が歩いて五分ぐらいなのが救いとはいえ途方にくれました。雪はぼたん雪になってあたりを白く埋めていきます。一度、落ち着いて泥と雪まみれになりながら軍手で土を掘り、バスタオルを敷いて、前後に揺すり、二度掘り直して何とか脱出。下の舗装路までバックで走り、クルマを確認。脱輪したとき木にもたれかかる形になっていたので、脱出の際にボディーサイドに深い傷がついた。落ち着くまで煙草を吸った。
雪国の春を甘く見ていたことを反省しつつ、花岡の町を走りますが、雪は舗装路まで白く塗り込めはじめたので、のんびりはしていられない。早く国道に出なければと気持ちはせくが、ルートを誤ってなかなか国道に出られず、そうこうしているうちに初心者ナンバーのポルテに引っかかり、このクルマが牛が歩くようなスピード、うん、これも仏の導きに違いないと念仏を唱えながら何とか国道に出ることができました。
18:30 弘前の釣り具屋へ。その後、コンビニでデスクワーク2h。時折、すさまじい雪が降る。みるみるうちに駐車場が真っ白に。その後、移動。
21:00 青森の道の駅に投宿。
燃料 4,984円(累計8,364円、94.1リットル)実測燃費14.4km
経費 3,400円(累計8,400円)ルアー、グローブ含む。
走行 420km(累計1,490km)計測燃費14.2km
水辺 10ポンド(累計48ポンド)
メモ スタック対策も兼ねてバスタオルは多めに持っておきたい。平常時はアイリスボックス内の緩衝材や自転車、バイクのタイイング傷防止用として使えばよい。
4日目(晴)青森→五所川原→青森
05:00 起床。今日は晴れる。路面凍結に注意しながら五所川原の野池群を遍路。
07:00 五所川原のコンビニでデスクワーク1.5h。
09:30 全国に何カ所か、何度も行きたくなる池がある。津軽半島の市浦大池もそのひとつだ。歯の生えたへらがいるという太公望の伝説と、屋根のある日本一長い橋。強風で釣りどころではないが、せっかくなので昨日買ったルアーでスピニング+スプーンのシステムのテストを行った。
11:00 開通したばかりで話題の北海道新幹線の撮影スポットとなる池を見つけた。1時間に一本なので逃すとたいへんだ。三脚とアングルをセットし待つこと20分。下り線で動画を、上り線で静止画を撮影した。
12:30 青森市街地内の野木和池の湖畔駐車場にてデスクワーク1h。その後、ブロンプトンを出して野木和湖を一周しポイントをチェックしながら釣り。
15:00 青森駅近くのホテルにチェックイン。デスクワーク1h。その後、チャリで青森市街地観光。JNRのマークが輝かしい青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸が夕日に輝いていた。
18:10 ホテル近くで、なかなかいい店に入った。「一洋」という日本酒が美味かった。田酒の半額以下だ。しかし二時間いて客は私だけ。北海道新幹線開業効果は?
21:30 デスクワーク後、就寝。
経費 14,100円(累計22,500円)居酒屋8,600、ホテル5,000など
走行 130km(累計1,620km)計測燃費13.7km
水辺 13ポンド(累計61ポンド)
メモ スピニングシステムは5gはベストだが、風、流れ、海では役不足。17gは重すぎてフルキャストできない。10g前後を試したい。弘前の日本酒「一洋」が安くて美味かった。田酒の半額以下だ。
5日目(曇のち雨)青森→深浦
06:00 起床。デスクワーク3h。10時、ホテルをチェックアウト。
10:30 青森市の池を再訪。洗車。
11:20 新幹線新青森駅に仕事のチームと集合。17:00までガラス工場の取材。
17:50 業務チームと新青森駅で解散後、急ぎ大廻ため池へ。ここは日本一長い堰堤をもつため池で、ため池100選にもなっている。二度目なので、日本一の木製三連アーチの遊歩橋の写真を撮り、すぐに移動。日暮れまでにどうしてももうひとつ行っておきたい。
18:10 狄ヶ館溜池は道の駅のある池。本日のラストポンド。そのまま道の駅でデスクワーク。
19:40 鰺ヶ沢のスーパーにて食糧調達。
21:00 深浦の道の駅に停泊。
経費 2,900円(累計25,400円)洗車含む。
走行 115km(累計1,735km)計測燃費12.8km
水辺 3ポンド(累計64ポンド)
メモ ガラス工場で働く若手の姿がかっこよかった。
6日目(晴)深浦→象潟
03:00 金縛りで目が覚めた。あまり疲労が抜けていない。道の駅には他に誰もいない。静かすぎて眠れないので、今日の最初の訪問池である十二湖にむけて出発。
04:00 十二湖駅前で夜明けを待ってデスクワーク1h。十二湖はなんとこの日が冬期閉鎖解除だった。夜明け後、十二湖をまわった。エブリィで家族で遊んだ思い出の場。日本海沿いに南下。
08:40 能代の惣三郎沼で小一時間ほどへらぶな釣り。最高の釣りになった。
09:40 八郎潟を経て、男鹿半島の先端にあるカルデラ湖群へ。空撮が活躍。
12:30 秋田市の屈素沼へ。テレビニュースでこの日、秋田市で桜が開花したとのこと。ここから南下するにつれ、桜が豊かになってくる。
16:00 象潟の栗山公園の池でバス釣り。シャローで、でかい魚のライズがあるのだが、ルアーに反応なし。水音は捕食音に聞こえるからバスっぽいが鯉だろうか。
17:00 象潟の道の駅へ。家族と泊まった思い出の場である。夕日を見ながら展望風呂。350円安い。
19:40 道の駅前の海鮮屋へ。21時の閉店まで終始、客は僕ひとり。青森でもそうだったが、大丈夫なのかな東北。会計のとき、みごとな熱帯魚の水槽を見て、これだけの水をつくれるのは、ただ者ではないと思い、そう告げると、やはりそうとうな人で家は水槽だらけとのこと。特に熱帯魚の王者といわれるディスカスの話で盛り上がり、往年の名ブリーダーであるジャック・ワットレー氏の話に。30年ぐらい前に僕も本気でディスカスブリーダーになりたかったころのヒーローである。ずっとドイツ人だと思っていたが、店主が言うにはアメリカ人とのこと。30年来の勘違いを訂正することができた。この店主が熱帯魚を購入しているお店を訊ねると、秋田観賞魚センターという店をおしえてくれた。いつか行こう。
21:10 歩いて道の駅までもどり就寝。
経費 5800円(累計31,200円)居酒屋、入館料など
走行 365km(累計2,100km)計測燃費14.3km
水辺 22ポンド(累計86ポンド)
メモ へらぶなの釣果あり。
7日目(雨のち晴)象潟→酒田→会津若松→那須塩原
05:00 やや寝坊気味。ときどき豪雨。酒田で1ポンド。
07:30 最上公園の池で愛知から来たという人と会話する。いい池と言って教えてもらった場所は、偶然にも今回の旅で数日前にすでに行っていたところだった。
09:00 尾花沢の道の駅でデスクワーク1h。
10:20 コインランドリーでデスクワーク1h。
12:00 山深い山上湖、大沼の浮島で対岸にゆっくり歩く山犬を見た。目を合わさないようにし、そうっと離れてから一目散に逃げた。もののけ姫のシーンみたいだった。
12:30 不思議な伝説の残る春日沼で釣り。晴れていたのに、ずっと雨。まるまる太ったワカサギが釣れた。そのうち寒く本降りになったので納竿。
18:00 会津若松で日暮れタイムアウト。渋滞をやりすごすため20時までコンビニでデスクワーク2h。
21:30 那須塩原にてラーメン店に入り、隣のコンビニに投宿22:30。
燃料 4,595円(累計12,959円、146.3リットル)実測燃費14.9km
経費 4,300円(累計35,500円)コインランドリー、ラーメンを含む
走行 370km(累計2,470km)計測燃費13.7km
水辺 11ポンド(累計97ポンド)
8日目(晴)那須塩原→帰還
05:00 起床、出発。朝のニュースで大切畑ダム決壊が報じられている。先月、訪れたばかりのダムだ。ここ連日、熊本地震のニュースでテレビ番組が埋め尽くされている。そういえば西日本をめぐっていたときは、中国自動車道のトンネル大事故で番組が埋め尽くされていた。
15:20 帰還。
16:20 帰還後、家が停電になって困った。翌日きいた話では、電源設備にクルマが突っ込んでしまったとのことで、うちの周囲の二百世帯だけのスポット的な停電だったそうだ。
燃料 4,968円(累計17,927円、198.59リットル)トータル実測燃費14.87km
経費 4,630円(累計40,130円)高速4,130、コンビニ500
走行 370km(累計2,955km)計測燃費15.0km
水辺 12ポンド(累計109ポンド)