突抜語録
2014年9月1日
(三橋鷹女『魚の鰭』)
山の端に沈もうとしている夕日が最後の光を谷間にある一本の紅葉を染め上げる。人はおろか、鳥も虫もいない。森閑と静まりかえった晩秋の冷気の中でただ一人立ち尽くす中年の女。 穏やかな表情の奥には自分でも気づいていない凄絶な情念が渦巻いている。 木の幹に手を触れて見上げる。さっきから耳鳴りがする。 この木に登ったら、もう下界には帰れないかもしれない。そんなことを思って、ふっと笑った。
ほとんど例外なく、軽快さは最大の努力から生ずる。
この樹登らば鬼女となるべし夕紅葉
てふてふが一匹韃靼海峡を渡つて行つた。
全部には対応できないので、ある種の適当さが要になる。
ポコ、早く土の中で腐っておしまい。
街灯は夜露にぬれるためにある