湖も池も、法律的には川だったりする?

池と湖と沼の属性と名称とのギャップを具体例で例示してみました。

池と湖と沼の属性と名称とのギャップを具体例で例示してみました。

一般的に、水深や規模の大きさで池と湖は区分されているとか、天然のものは湖か沼で、人工のものは池といった区分があるとか分かりやすい説明がありますが、全国の湖沼をめぐってきてみて、小さかったり浅かったりするのに湖と名付けられていたり、人工ではなく天然由来、おまけに水深もあってカンペキな「湖」スペックなのに「池」と呼ばれていたりする事例は少なからず目にしてきました。

定常的に水が貯まっているものが池であり湖沼なので、当然、水の入口と出口があります。法律上の区分としては、流入河川なり流出河川がある場合、池だろうが湖だろうが「河川」と位置づけられ、河川法のもとで運用されています。

もっとも湖沼法と呼ばれる法律がないわけではありませんが、湖沼を網羅的に管理運用する法律ではなく、環境保全を行うために特別に指定をするといったスタンスで、国内で適用されているのはわずか11湖(2018年現在)しかありません。

ところでちょっと問題なのが、たまに流入河川も流出河川もどちらも持たない湖沼もあります。この場合、河川法は適用外になってしまうので、法律上の区分としては、ただの水たまりと変わらぬ位置付けになりそうです。しかし法の及ばぬ無法地帯というわけではなく、山林の一部として林野庁だったり、国立公園に含まれるものとして環境省だったりの法律のもとで管理されることになると思います。いずれの法にも縛られない無法池が、まだこの国にはあるかもしれないなどと変なロマンを抱いたりしてしまいそうですが、この項については機会を見て法律にくわしい方にも訊ねてみたいと思っています。

弱気の「ですます調」なのは、法律は厳密さが命だけに、専門家でもないのにあいまいな知識で語れることではないので、あくまで湖vs池に対しての水辺遍路からの問題提起と思っていただければと思います。

(2018年12月)

 

「湖沼型」という分類もあるけど?

ずばり英語でLAKE TYPE。日本語では湖沼標識という言い方もするようです。

ウィキペディアには「物理的・化学的・生物学的性質によって総合的に分類」という説明が出ています。「生物生産と環境要因の観点からの分類」ともありますが、分かるような分からないような。ざっくり言うと、魚や水生動物、水中や水辺の植物にスポットをあてて、こんな水質の湖沼なのでこんな生き物が生活できます、というような分類法です。特定の魚の養殖にむいているかどうかの判断基準や、水質悪化で生物層が変化した際などの指標として使われています。

そう見れば、大分類である「調和型湖沼」と「非調和型湖沼」は、生物が快適に住める湖沼と生存が難しい湖沼の違いなんだなと理解できます。日本の行政では環境調査などで、富栄養湖、中栄養湖、貧栄養湖、腐植栄養湖、鉄栄養湖、酸栄養湖の6つの分類が使われ、前3つが調和型で後3つが非調和型。

水質や生物相による分類なので、ここでいう「湖、沼、池の違い」とは関係ありません。また、堰き止め湖や火口湖といった成因による湖沼分類ともまったく異なる指標です。

(2019年7月)