広告会社の会議でターゲットがどうだとかタイアップだとか、スポンサーだとか、マーケティングの発想でこねくり回すから、言葉がどんどん現実の生活から遠ざかる。40代女子? デパ地下? 絆? うるせぇって話です。
(都築響一・編集者・写真家)

うるせぇって話です、ってところがとてもよい。

東電OLは痛ましいまでに身体性の「塊」なんです。・・(中略)・・しかし、木島佳苗にはそういった身体性がみじんも感じられなかった。
(佐野眞一)

どんな心の闇も、身体という有限の枠から抜け出ることはできないはずだった。それを軽々と乗り越えたとしたら、木島佳苗が感じた万能感はいかほどのものだったろう。ただ、それはあくまで仮想の世界でのみ機能する虚像だった。
残念ながら、神様はそのことを教えてはくれなかった。
でもやっぱりそれも、うるせえって話です。