江戸時代には膨大な数の貧乏人がいたんですよ。でも彼らは、それぞれ居場所をもっていた。たとえば、煙管にヤニが詰まりますね。それを掃除する仕事が職業になる。それで食べていける。そのかわり粗末な長屋暮らしですよ。家具もほとんどない。しかし、そんな貧乏人が食事になると美しい食器を使う。その美意識にも外国人は驚いたんです。(渡辺京二・日本近代史家)

冒頭の言葉は幕末の日本に滞在した外国人の訪日録から。

もちろん、今の日本の話ではない。