日常で使うものをデザインするとき重要なのは、使う人にデザインを意識させないことです。使い勝手というのは使いにくいときに初めて意識するもので、使いやすければ意識しない。すぐれたデザインとは、意識せずに、心地よく使えるものだと思います。
(深澤直人)
日本民芸館館長。無印良品の商品デザインなどを手がけた。
「ウソだと思われるかもしれませんが、実はダイソンにはデザインを専門に手がける『デザイナー』は一人もいません。エンジニアが機能を突き詰めた結果が製品の形になっています。全てのデザインが機能を持っているのです」
(マーティン・ピーク ダイソン・シニアデザインエンジニア)
「(デザインは)それ自体や美しさが目的なのではなく、何かと何かをつなぐもの(中略)人間には、デザインに対するすごい洞察力や身体能力があって、ドアノブに触っただけでいろんなことに気づけるのに、何でも自動化する便利さの中で、能力を使わなくなってきている」
(佐藤卓・デザイナー)
ほんとうにいいデザインは、使っている人に「いいデザインだ」と気づかれることが少ない。
使いにくいときに初めて人は「デザインがわるい」と気づくからだ。
ほんもののデザインとは、ステルスのようなものだなあ。