コロナ禍もやっと光が見えたものの、ウクライナの戦争は暗雲のまま、北朝鮮は弾道ミサイルを次々と日本海に打ち込み、エネルギーの高騰と供給不安。なんか富士山の噴火もヤバそうだ。 一介の個人がのほほんと池めぐりなんて、そんな平和な時代は今年が最後になってもいっこうにおかしくないかもなんて気持ちが強まって、もう見るべきもの行きたいところは終わらせておこうと、けっこう強い気持ちで2022年の遠征を敢行した。 そして、おおよそ終わった。日本の「ダム」の数は、2千でも3千でもなく、だいたい2,600基ぐらいということも見えてきた。

「日本100ダム」は最後にひとつだけ残っていた宮崎県の綾北ダムをもって完了した。なかなかの難敵ダムだった。立入禁止ゲートの中に閉じ込められるというアクシデント付きで思い出も残った。

https://bunbun.hatenablog.com/entry/ayakitadam

ダムめぐりの大変さに比べれば、池めぐりは楽だ。ご褒美も大きい。ダムはなるべく人が住んでいない場所に造るが、池は人の営みとともにあり寄り添ってきたからだと思う。

ダムでは立入禁止や釣り禁止が多いのも、険しい立地や地形を考えればいたしかたない。ただ、里の池に比べるとアクセスの労に見合わない成果しか得られないダムが多く、中には管理が放棄され荒れ放題になっていたり、廃ダムといった事例も多く見てきた。人との関わりの強い里や町の池が公園池や防災用の池として新たな役割を与えられるのに対して、人里から離れたダムは立地や愛着の面でも難しいものがあるのだろう。ただ、昨今の世界的なエネルギー供給の不安定さを考えると、里から離れたダムにも小水力発電や広い湖面を利用したソーラー発電という新たな役割が期待できるのではないかとも思った。

2,600基を越えて。新たな展望が?

2023年3月、訪れたダムの記録は2600基を越えた。おおよそ日本にあるハイダムの実態数は2,500基ぐらいかと見積もっていたが、思っていたよりも多かった。

というのも、自治体が公開しているため池データベースをしらみつぶしに調べていくと、「ダム便覧」にも出ていない堤高15m以上の池が思ったより見つかった。総数はまだ出ていないが、さすがに2500基から先のダムたちは山の中に放棄されていたり、アクセス路が獣道になっているようなヤバそうなやつらばかり。しかしそろそろ一巡目は終わりが見えてきたようにも思う。今後は到達困難な難敵ダムの攻略をじっくり考えていきたい。

(2023年3月)

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